
通常飲食店の出店と聞くと実店舗を構え営業を行う事が主流だが、今回紹介するのは、一風変わった経営戦略を取り飲食店を開業した「SCHMATZ」を紹介する。
2020年2月にテレビ番組「がっちりマンデー」にて取り上げられ、ドイツ人経営者のクリストファー・アックスとマーク・リュッテンの2人が、飲食店開業のコツを紹介した。
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目次
SCHMATZとは?
「SCHMATZ」(シュマッツ)はドイツ料理の専門店
社長のクリストファー・アックス(32)とマーク・リュッテン(28)の共同経営から2015年に生まれたレストラン。
(画像引用元:SCHMATZ)
現在は都内を中心に27店舗を運営している(2020年現在)
提供するビールも、ドイツから輸入を行うと鮮度が落ちてしまう為、ドイツ産の原料(麦芽・ホップ・酵)を使用し、日本のブルワリーで製造を行っており、日本人に合うよう工夫をこなされたドイツ料理がウケて、現在人気急上昇している。
「SCHMATZ」のコンセプトはドイツ料理に和のテイストを融合させること
会社名 | カイザーキッチン株式会社 |
設立 | 2013年11月 |
代表者 | クリストファー・アックス マーク・リュッテン |
資本金 | 7億7千万円 |
所在地 | 東京都目黒区上目黒1-22-4 |
事業内容 | 飲食店の運営 フランチャイズ事業 |
キッチンカーから飲食店開業
元々は一台のキッチンカーから始まった「SCHMATZ」
2014年中古のバンを買い取り、自ら店内を加工し「KAISER KITCHEN」というキッチンカーを始め、主に駐車場やイベント会場などでビールやソーセージなどを売っていた。
日本人に合わせたサイズや塩加減などの調整を行い、開業した年のフジロックフェスティバルでは3日間で4000本ものソーセージを完売した。
約1年ほどキッチンカーで活動を行い、「SCHMATZ」を出店した。
キッチンカーからレストランへ
「SCHMATZ」がキッチンカーとして事業をスタートさせたのには主に2つの理由がある。
2つの理由
・日本人にドイツ料理が受け入られるか?
・開業資金の少なさ
キッチンカーの魅力は開業資金の安さと、場所を選ばずに出店が行えるという事。
2人はそれぞれ100万円ずつを出資し、キッチンカービジネスに参入。
日本人にドイツ料理が受け入れられるかの調査を行いながらキッチンカーでの気付きに改良を重ね、現在のレストラン経営に繋がっている。
「SCHMATZ」の飲食店開業のコツ
2人のドイツ人社長から得られた飲食店開業のコツは3つ
飲食店開業3つのヒント
・キッチンカーで市場調査
・市場調査を行いながら開業資金が貯められる
・異国の地での気付き
飲食店開業のコツ① キッチンカーで市場調査
キッチンカーで市場調査を行うことで、低いリスクで自社の料理が売れるかの調査が行える。
移動しながらの販売が行える為、様々な地域や年齢層のデータが取れ、実店舗出店への足がかりともなる。
日本人に合わせたサイズの調整や塩加減などはキッチンカー時代から行えるメリットの一つ。飲食店を構えてからは大きな運営コストがかかってくる為、コストの節約を図りながらより良いメニュー開発が可能となる。
飲食店開業のコツ② 市場調査を行いながら開業資金が貯められる
まずはキッチンカーで市場調査を行い、その料理が日本に受け入れられるかの調査が行えるのが魅力の1つだったが、先述したフェスへの出店などで大きく売上を上げることができる。
ソーセージの販売価格が700円〜800円ということを考えると、3日間での売り上げは280万〜320万円。
1日100万円の売り上げを記録した計算となる。
食材や出店料を差し引いても十分な利益であることが伺える。また、ビールなどのアルコール類も販売していたと考えると、1日の売り上げは150万〜200万とも計算できる。
キッチンカーの開業資金を返済した後は実店舗に向けての資金作りが出来る。
2014年にキッチンカーをスタートさせ、「SCHMATZ」をオープンしたのが翌年の2015年。
わずか1年で実店舗のオープンに至っている。
飲食店開業のコツ③ 異国の地での気付き
東京にはイタリアンのお店が約6400店、フレンチのお店が約3400店と数多くのお店があったが、ドイツ料理の店は当時70店以下となっており、日本はドイツ料理の空白地帯、美味しいドイツ料理を提供すればチャンスがあると確信したという。
異国の地だからこそ気付きが生まれ、未開拓の料理やメニューを狙う事で差別化ができ、売り上げに影響してくると語った。
この気付きなどは我々日本人でも応用する事が可能で、人が集まりやすい都心部などではなく、逆に地方の方で物件を探すと何かに気付けるかもしれない。