
2019年10月10日(木)
テレビ番組”カンブリア宮殿”が放送された。
今回の放送内容は、喫茶店「銀座ルノアール」
今やカフェといえば、スターバックスを始めとする海外資本の黒船系カフェが業界を対等。
低価格が根付きつつあるカフェ業界の中で、会心劇を続ける”銀座ルノアール”
そんなカフェという薄利ビジネスの中で、9期連続増収という儲けのカラクリに迫った。
ルノアールの人気の秘密
ルノアールは、他のカフェと比べ大きく違うポイントが数多く存在しており、人気を生む様々な儲けのカラクリがある。
・高確率で空席がある
・個人のスペースが広い
・長居が出来る
ルノアールでは高確率で空席がある
ルノアールでは、来店すると空席となっている場合が多く、待ち時間なく席に案内される。
特に都内のカフェなどはどこも混雑している事が多く、席が空いていない事が多い
高確率で空席があるのが、利用者の人気の1つとなっている。
ルノアールでは個人のスペースが広い
個人のスペースが広いことも人気の理由。
1坪あたり、1.5席
カフェ業界では1番の広さとなっている
窓も広く作業がしやすいデスク。
開放感ある店舗作りが特徴。
ルノアールでは長居が出来る
ルノアールは昼寝をしていても、店員から何も言われない。
新聞が用意されている店舗があり、長居を歓迎してくれている。
最近では、女性客や、ファミリー層の利用も目立っており、おじさんが利用する喫茶店のイメージを払拭している。
ルノアールのお茶のサービス
ルノアールでは、定期的にお客さんの席を巡回し、暖かいお茶をサービスとして差し出す。
時間を気にせずにくつろいで欲しいとの思いから来ている。
ルノアールはビジネスマンに強い
サラリーマンの聖地だと利用者は語っている。
名刺スキャナーや、電源のサービスなど、ビジネスマンにも強い点も大きな理由だ。
これらのサービスが無料で利用できる為、オフィス代わりに利用する人が多い。
ルノアールでは貸し会議室を提供している
ルノアールの多くの店舗では、貸し会議室が併設となっているお店が多い。
場所とシステムがとても好評。
8人で借りれば、1時間 1人あたり150円で借りられる低コストの貸しオフィスとなっている。
どれも通常のカフェなどではないサービスだ。
この様々なサービスがウケて、ロイヤルカスタマーの獲得に繋がっている。
中には、ルノアールを1日にハシゴする利用者もいる。
ルノアールのメニューのこだわり
清潔感や、高級感にもこだわっているルノアール。
もちろんメニューにもこだわりがある。
ルノアールのドリンク
コーヒーは大手コーヒチェーンのKEYCOFFEEと提携。
オリジナルのコーヒーを提供している。
昆布茶やガラナなどの珍しいドリンクも販売している。
ルノアールのモーニングセット
ルノアールではモーニングを提供している。
値段がとても安いのが特徴だ。
ドリンク+60円から利用が可能となっている。
ルノアールの出店戦略
駅前で集中的に行われている出店計画。
現在、新宿駅周辺だけでルノアールは20店舗出店している。
※2019年秋
改札だけで9箇所、出口だけで60以上もある新宿駅。
そんな大型ターミナル駅である新宿駅の周りを網羅。
また、目立たない路地にも出店。
伊勢丹などの百貨店や、ビックロなどの大型店舗をピンポイントに狙った出店を行なっている。
ルノアールの新業態
貸し会議室や広いスペースを売りにするルノアールが、新業態を郊外に出店した。
名前はミヤマ珈琲。
シフォンケーキやパスタなどの食事も充実しており、利用客の多くは年配の主婦層となっている。
お店では、お花教室などのコミュニティーサークルの活動スペースを提供し、利用料はドリンク代のみ。
ルノアール社長 小宮山誠
ルノアールの現社長は小宮山誠(45)
ルノアールの3代目社長。
社長の小宮山は掃除に人一倍こだわり、3種類の物の見方をする。
・鳥の目
広く物を見る
・魚の目
立体的に物を見る
・虫の目
局所的な見方をする
3種類の目から、しっかりと物事を観察する術を社員に伝えている。
また、社長の小宮山誠は、店舗の視察を欠かさない。
頑張っているスタッフを褒めるためだ。
ルノアールの赤字時期
徹底的に清潔な店内を目指すことで、創業当初から人気を博したルノアール。
しかし、ルノアールはデフレの影響により、3期連続の赤字を記録する。
その業績回復に貢献したのが、1998年に入社した小宮山誠。
入社した当時の社長は、父の小宮山文男。
新しい風を導入するため、”New Yorkers cafe”を設立。
商品価格はルノアールの半分以下。
最初は順調に売り上げるも、似たようなカフェが乱立しこちらも売り上げは長くは続かなかった。
そんな中、高級喫茶店"談話室滝沢"の経営者である人物と出会う
談話室滝沢は廃業が決まった喫茶店だ。
「もてなしのこころを忘れてはいけない」
そう告げられたという。
その後、小宮山は原点に帰ることにする。
徹底的な”もてなし空間”を意識した店舗作り。
社員のやる気を出すために社内イベントや、ホスピタリティチェックを徹底することにした小宮山。
前向きに働く社員を増やし、ルノアールのブランドを確立。
業績は回復し9期連続増収となった。