
車の維持費や、増税に伴う家計圧迫の懸念から日本の車離れが深刻な問題となっている昨今。特に日本の市場では軽自動車やワゴン車などのファミリータイプが主流となっています。
しかし、そんな中でも日本の国産スポーツカーは、海外から変わらずの人気を集めています。
様々な投資がある中で、この記事では日本のスポーツカーに投資を行い、不動産や金などとは一味違った「実物資産」としてのメリットを紹介をしております。
この記事から分かること
・国産スポーツカーと投資の繋がりが理解できる
・今後値上がりが期待できる車種が知れる
・スポーツカーの価値を下げない保管方法が分かる
車に興味がない方、かつては車に興味があった方にもオススメの内容となっています。
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実物資産とは?
株や債券などとは異なり、実物資産は形があるものを指します。
実物資産の種類として、トウモロコシなどの穀物や、金やアンティーク家具まで幅広くのものが「実物資産」として数えられます。
実物資産としてクラシックカーに投資を行う方法があります。
現在生産されていないビンテージの車は、後世に語り継がれる代物として、全国の車ファンに留まらずに、博物館などの公的施設で扱うものとしても人気です。
そして今回取り上げるのは日本人にとって馴染みの深い日本車。
「トヨタ」「ホンダ」「日産」など、世界に多大なる影響を与えた名車に投資を行い、資産としてだけではなく、その素晴らしさを体感できることができます。
国産スポーツカーに投資をオススメする5つの理由
それではなぜ国産スポーツカーに投資を行った方が良いのか?
こちらの章では5つの根拠を元にお伝えしていきます。
国産スポーツカーは世界的に大人気
日本のスポーツカーは世界的に大人気です。
特に人気の要因の1つとなっているものに、大ヒット作として続編が次々公開されている「ワイルド・スピード」の存在があります。
(画像引用元:amazon.co.jp)
特に不慮の事故で亡くなったポール・ウォーカーの遺作作品とされる7作目の「ワイルド・スピード SKYMISSION」は、全世界興行収入が15.1億ドルというとてつもない売上を記録しています。
そんな大人気の映画に、日本のスポーツカーが沢山登場いたします。GT-RやRX7(FD3S)などの日本でも人気となっている名車達が、フェラーリやダッジなどの大排気量の車と共に肩を並べています。
特に「ワイルド・スピード」シリーズでは日本の車がカスタマイズされて登場する為、マニア心をくすぐる作品となっており、作品を見て憧れた方などが日本車を求めています。
その他にも日本のアニメなどの人気は海外で知られている通りです。その作品に登場する日本車も多く、価値に拍車をかけています。
スポーツカーは価格上昇の期待が持てる
先述した通り日本の国産スポーツカーは海外に多く渡り、また生産も止まっている為に価格が高騰しています。
世界的に人気の高い日産のスカイラインGT-R 。この第5世代にあたるBNR34型(1999年式Vスペック)は、大手中古車サイトで掲載されている情報を見ると、およそ2000万円の値が付けられています。
当時のBNR34型(1999年式Vスペック)の新車価格はおよそ500万円ですので、1500万円のプレミアム価値が付いた事が確認できます。
更に製造後25年を経過した車はクラシックカー扱いとなる為、アメリカの連邦自動車安全基準の適用外となり、国内に持ち込む事が可能となります。
90年代後半・2000年代序盤で製造された車がこれから対象となり、需要がますます高まる事は間違いありません。
これは年月を重ねれば重ねるほど、更に価格が高騰するとみて間違い無いでしょう。
圧倒的な日本のブランド力
mede in Japanは圧倒的なブランド力を誇ります。
少し話は逸れますが、海外、特に東南アジア系などの国では日本の中古の重機が人気となっています。わざわざ日本で開催されているオークション会場に足を運び、競売に参加をするほどです。
その理由は日本で製造され、日本で使用されたから。
日本の圧倒的なモノづくりの技術と、几帳面でメンテナンスを欠かさない日本の手間を求めて購入しにやってくるそうです。
信頼感のある日本企業が生産した物は壊れにくく、メンテナンスも海外ブランドに比べて遥かにラクであることも人気の要因になっています。
現在では生産出来ない車たち
往年の名車達はその名前を受け継ぎ、姿を変えて新しく製造されています。
しかし、昔と違い形は流線型を描くような車が多くなり、ランエボやシビックのように角ばった車は少なくなりました。その理由としては空気抵抗をなくす為や、運転者や歩行者の安全面などからくる技術の進歩です。
安全面で最も大きく印象を変えるのは、マツダのRX-7やトヨタのスプリンタートレノなど、当時のスポーツカーに搭載されていた「リトラクタブルヘッド」の存在です。
当時のスポーツカーの醍醐味でもあったこのパーツですが、現在では空気抵抗懸念や安全面の影響から「リトラクタブルヘッド」を採用している車は製造できないようになっています。
今後も似たようなデザインが生産されないことからも、投資を行う重要なポイントといえます。
自身の趣味の延長上
他の投資として大きく違う点は日常利用できることにあります。
株式投資や投資信託などの金融資産と違い、車は実際に利用できる実物資産です。純金のネックレスやロレックスなども普段使い出来る点は似ていると言って良いでしょう。
勿論、車に乗ればその分走行距離は増え資産としての価値は少し落ちる可能性もあります。しかし、全く乗らないという行為もかえって車に良くない事もある為、放置しすぎない程度に車に乗った方が良いと言えるでしょう。
実物資産として期待できる国産スポーツカー9選
ここからは、今後更なる値上がりが期待できる車種を紹介していきます。
NISSAN スカイラインGT-R (R32/R34) | |
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日本の最高傑作の呼び声高いスカイラインGT-Rは、1969年に「PGC10型」として産声をあげました。GT-Rはスカイラインの中でもレース向けに開発された車種であり、高性能車として世界的に知名度を誇ります。
初代スカイラインはハコスカの愛称で親しまれ、1000万円近い金額で今尚取引がされています。
取り分け人気が高いのは3代目にあたるBNR32型と、5代目にあたるBNR34型です。BNR32型の生産台数は4万3千台、BNR34型はおよそ3分の1にあたる1万1千台となっており、発売期間もBNR32型は5年、BNR34型はおよそ4年と短いのが特徴です、
現在はそのプレミア度の影響から、BNR34型は新車価格の5倍超で取引をされていることがあります。 |
MAZDA RX-7(FD-3S) | |
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1978年にサバンナRX-7という名で誕生し、販売終了の2003年までの25年間をMAZDAの顔として牽引してきました。 25年間の間にマイナーチェンジを繰り返し、2回のフルモデルチェンジを敢行。取り分け人気の高いのは3世代目に当たるFD3S型です。 サバンナの呼称がはずされ、当時の販売店系列「アンフィニ」の名を用いて「アンフィニRX-7」として販売されました。 人気漫画のイニシャルDで高橋啓介が使用していた愛車として登場し、その人気は瞬く間に広まっていきました。
近年では映画「ワイルドスピード」でカスタムされ登場したり、アニメ「名探偵コナン」の主要キャラとなっている安室透の愛用者とし登場し、今なお人気のあるモデルです。
RX-7の累計生産台数は81万台。しかし、FD3S型は5万3千台と球数が少ないのが特徴です。
人気の高さと生産数の少なさから年々希少性が高まっており、今後も値上がりがもっとも期待できる車となっています。 |
NISSAN シルビア(S15) | |
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シルビアは1964年の東京モーターショーに「ダットサンクーペ1500」としてお披露目され、翌年の1965年に発売開始。販売中断期間を経た後、1975年に発売された2代目で「ニューシルビア」という名前が付けられ、以降、生産が停止される2002年までその名が使われ続けました。
シルビアは1965年の発売から2002年までの生産終了までに6回のフルモデルチェンジを行なっており、人気が高いのは最終形態にあたるS15型です。
S15の販売期間は3年7ヶ月と歴代モデルの中で最も短く、また、生産台数も4万3千台という少なさが特徴的です。 |
HONDA シビック(EK型) | |
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1972年に発売以降、HONDAの乗用車の中で最も長く車名登録されているシビックは、現在もモデルチェンジを重ねて販売されています。
特に人気の高いのは、1995年から2000年までのおよそ5年間の間に発売された6代目にあたるEK型となっており、3度の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いています。
「ミラクルシビック」と呼ばれるこの6代目シビックでは、低燃費・高出力を両立させた3ステージVTECエンジンやモデル初の電子制御CVTが用意されています。
1997年にはスポーツタイプの「タイプR」が追加され、峠やサーキットなどで頻繁に目撃されるようになり、現在も日本を中心に根強い人気となっている車種です。
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NISSAN フェアレディZ(Z32/Z33) | |
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1969年に発売された初代モデルS30型は、欧州の高級GTに対抗する為に魅力あるスペックを搭載し、瞬く間に人気となりました。
「悪魔のZ」という異名で大ヒットした漫画、「湾岸ミッドナイト」の主人公である朝倉アキオの愛車としてミッドナイトブルーのS30型が登場し、今尚根強い人気となっているモデルです。
現在は6代目までモデルチェンジがされ、今後値上がりが期待できるのがすでに生産が停止されたZ32型、または、その1代後のZ33型です。
初代S30型や、2代目のS130型はすでにプレミアム価格となっており手にするのが難しく、また、生産年数も経過している為、手入れも大変です。
Z32型、Z33型は比較的安価で取引される事が多い為、資金に余裕のない方でも手にしやすい価格帯となっています。 |
三菱 ランサーエボリューション | |
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三菱が開発したランサーエボリューションは、世界ラリー選手権における認可取得を目指すために限定生産されたモデルとなっており、1992年から国内で販売がスタートしました。
1992年の発売から2016年の発売終了までにフルモデルチェンジを幾度と繰り返し、どのモデルも非常に人気が高いのが特徴です。
あまりの性能の良さやデザイン性から盗難が相次ぎ、2003年発売のエボリューションVIIIからイモビライザーが標準装備されるようになりました。
総じて人気が高かった為、走行距離が低く年式が古いモデルは市場にはあまり出回りません。 |
Honda S2000 | |
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S2000は、HONDAの創立50周年を記念に発売されたモデルとなっており、およそ29年振となるFR仕様ということで注目を集めました。
1999年の発売から10年間の発売期間があったが、日本での累計販売台数は2万台と少なく、世界においても11万台という数しか販売されていません。
しかし、一方でエンジンのパワー性能は高く、車体のバランスが50:50に設計されており、販売が終わってからじわじわと価値が上がってきているのが特徴です。
わずか1代で終わってしまったモデルでもある為、希少性が高いことは間違いありません。 |
TOYOTA スープラ | |
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スープラは北米で人気を博していた日産の「フェアレディ280Z」に対抗するべくトヨタが開発。初代はセリカのボディを用い、北米では「セリカ・スープラ」という名前で販売がされていました。
1986年に発売された3代目のA70型よりセリカから独立。スープラとして車名が登録され発売がスタートしました。
人気が高いのは、1993年に発売された4代目(日本で2代目)にあたるA80型。
ワイルドスピードの初代パッケージにも採用されているこのA80型は、故ポール・ウォーカーが劇中で演じた主人公のブライアンがメインとして乗っていた車種となっており、日本よりも世界に人気が高いモデルです。
ポールの遺作となった「ワイルドスピード スカイミッション」のラストシーンで乗車していたのも白の4代目スープラでした。
スープラが2002年に4代目の生産を完了してから17年。5代目の位置付けとして復活したスープラは、BMWとの共同開発車として生まれ変わり、現在も生産がされています。 |
TOYOTA セリカ | |
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セリカは1970年から2006年までの36年間に渡り発売されていたトヨタを代表するクーペタイプの車です。斬新なデザイン性を取り入れ、モータースポーツのベース車両としても長く活躍しました。
6代目にあたるT200型は、よりスポーツ性を取り入れたモデルとなっており、発売から翌年の1994年にはWRCモデルのGT-FOURモデルも発売されました。
このGT-FOURモデル(T205型)は国内限定で2100台発売と少なく、現存で残っているのはわずかとなっています。セリカはフルモデルチェンジに大きくデザインを変える車種となっており、人気が高いのは4灯のヘッドライトが特徴のT200型です。
セリカは上記で説明した車種よりも比較的安価で取引される事が多く、手が出しやすいのが特徴となっています。 |
数多くの名車をご紹介していきました。
次の章からは国産スポーツカーに投資するリスクや、価値を下げない保管方法を確認していきましょう。
国産スポーツカー投資のリスク
どの分野の投資においてもリスクが生じるもの。この章では国産スポーツカー投資を行う上で考えられるリスクをお伝えしていきます。
・維持費のリスク
・環境・災害リスク
・メンテナンス
スポーツカー投資のリスク① 維持費
車を所有するには様々な費用が必要となってきます。自動車税・自動車重量税・車検・駐車場代など、年間を通して数十万円の出費がかかってきます。
維持費をゼロにする裏技
車検が切れた車の場合には、重量税や自賠責保険を支払う義務はありませんが、そのまま乗らない車を所有しているだけでは毎年の自動車税などが課せられます。
そのような状態にならない為に行うべき方法は、車の「一時抹消登録」を行うこと
一時抹消登録の手続きを運輸支局で行えば納税は不要となります。
手続きに必要な書類
・車の所有者の印鑑(実印)、所有者の印鑑証明(発行から3ヶ月以内)
・車検証(自動車検査証)
・前後2枚のナンバープレート
・変更登録料(印紙代として350円)
スポーツカー投資のリスク② 環境のリスク
日本は災害が非常に多い国としても有名です。
最も良い車の保管方法は、ガレージ内で保管しておくのが理想と言えます。屋外での保管ですと、雨風にさらされ、四季がある日本の外気の変化や直射日光などによって塗装が劣化していってしまう恐れがあります。
ニュースなどで台風の影響から車が水の中に沈んでしまったり、エンジン内に水が浸水し廃車となってしまうパターンが非常に多く見受けられます。
台風・大雨・洪水・地震などのリスクがあることを覚えておきましょう。
スポーツカー投資のリスク③ 管理・メンテナンス
リスクの1つとして、車の管理やメンテナンスといった要因が挙げられます。
不動産をはじめとする「実物資産」の宿命とも言われる項目です。
スポーツカーの価格を落とさない為に行いたい保管方法は次の章で確認していきましょう。
スポーツカーの価値を下げない保管方法
長期保管する際に行いたい方法はこちら
・バッテリーのケーブルを外す
・定期的なエンジンの始動
・燃料タンクを満タンにしておく
・サイドブレーキを解除し車止めを使用する
・タイヤの空気を少し抜いておく
1つずつ確認していきましょう。
バッテリーのケーブルを外す
バッテリーのケーブルを繋いだまま車を動かさなくなってしまうと、バッテリーの自然放電によってバッテリーが劣化し、車体が壊れていないのに動かない状態になってしまいます。
バッテリーのターミナルを抜くだけで放電量が抑えられるので、ぜひとも行っておきたい作業です。
定期的なエンジンの始動
エンジンを起動していないと、内部のエンジンオイルがオイルスパン落ち、周りのパーツに錆や腐食などの悪影響を及ぼす事に繋がります。
およそ1ヶ月間動かさないだけでエンジンは劣化を見せ始め、3ヶ月もすればエンジン内部の油膜がほぼ剥がれてしまいます。
オイルそのものが劣化している場合があるので、長期保管前に新しいエンジンオイルに変えておくのも1つの手です。
燃料タンクを満タンにしておく
車の燃料であるガソリンは、燃料タンクに満タンにしておく方が劣化を抑えられます。
燃料タンクにガソリンが入っていない状態で車を保管してしまうと、内部に隙間がある際に外気の温度の変化によって水滴が生じ、燃料タンクの劣化・燃料の劣化に繋がります。
ガソリンを満タンの状態にして保管をしておく事をオススメいたします。
サイドブレーキを解除し車止めを使用する
サイドブレーキを掛けない状態にして保管しておく事で、錆などによるブレーキの固着を防ぐ効果があります。
車が動いてしまう恐れがある為、車止めを使用しておきましょう。
タイヤの空気を少し抜いておく
車の走行にはタイヤの空気圧が非常に重要です。
そんなタイヤですが、長期保管の際に通常の空気圧にしておくと、タイヤのひび割れを起こす可能性があります。長期保管の前に少し空気を抜く事によって、ゴムの劣化を防ぐことが出来ます。
スポーツカー投資のまとめ
国産スポーツカーの魅力をお伝えしてきました。
日本は世界的に有名な自動車大国です。
モノづくりの技術は素晴らしく、ブランド力も兼ね備えています。
需要ある車種を見つけ、適切な保管方法をすれば間違いなく国産スポーツカーは値上がりしていきます。
ぜひ趣味の延長上として保有してみてはいかがでしょうか?